ヤズドの歴史都市は、イラン中央部の砂漠地帯に位置する都市の旧市街からなる世界遺産です。乾燥地帯という厳しい気候条件に適応するため、日干しレンガを用いた住宅群や、通風・冷却のための塔状構造物バードギールが街全体に林立する独特の都市景観を形成しています。
地下水路カナートによって遠方の山地から水を引き込む灌漑システムも発達し、乾燥地における持続的な都市生活を可能にしてきました。古代よりゾロアスター教徒の重要な居住地としても知られ、拝火神殿や沈黙の塔と呼ばれる鳥葬施設が周辺に残されています。
狭い路地と日陰を生む高い壁で構成された街区は、強い日差しを避けながら人々が生活できるよう工夫されており、バードギールの高さや形状も建物ごとに異なるなど、地域の気候特性に応じた多様な工夫が見られます。乾燥地域における伝統的な都市計画の優れた実例として評価されています。
市内中心部にはアミール・チャフマーグ広場があり、左右対称のファサードを持つタキーイェ建築や隊商宿、浴場が複合的に整備され、都市の社交や宗教行事の中心としても機能してきました。地下には天然の氷を保存する伝統施設ヤフチャールも残り、冷却技術の多様さを伝えています。
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