イスファハーンのマスジェデ・ジャーメ(金曜モスク)は、イラン中部の都市イスファハーンにあるイスラム最古級のモスクの一つで、世界遺産に登録されています。8世紀に創建され、その後12世紀のセルジューク朝期を中心に、サファヴィー朝期に至るまで約1200年にわたり増改築が繰り返されてきました。
四方をイーワーン(半円アーチ状の玄関)で囲む中庭形式の平面構成は、この時期に確立されたイランのモスク建築の典型的な様式であり、後世のモスク建築の模範となりました。各時代の増築部分には、それぞれの時代を代表する装飾技法やタイル文様が用いられており、一つの建造物の中にイスラム建築様式の変遷を連続的に見ることができます。
地下には8世紀創建当初のモスクの基礎部分が発掘されており、増築の過程を考古学的にも裏づける貴重な資料となっています。単一のモスクでありながら、イラン建築史の縮図とも言える多層的な価値を持つ建造物として評価されています。北イーワーンと南イーワーンにはセルジューク朝期に築かれた二つの大規模なレンガ造ドームが残り、当時の構造技術の高さを示す代表例とされています。
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