タフテ・ソレイマーンは、イラン北西部にあるゾロアスター教の聖地遺跡で、世界遺産に登録されています。火山活動によって形成された湖を中心に、ササン朝ペルシア帝国期にゾロアスター教の重要な聖火が祀られる神殿都市が築かれました。湖の周囲には円形の城壁が巡らされ、神殿、宮殿、拝火壇などの遺構が良好な状態で残されています。
歴代のササン朝の王たちはこの地で戴冠儀礼を行ったとされ、王権と宗教的権威を結びつける聖地として重視されました。後のイスラム期にはイル・ハン国の夏の離宮としても利用され、モンゴル系の建築様式による増築も加えられています。湖は地下から絶えず水が湧き出る構造を持ち、その神秘的な水の性質が古くから聖地としての信仰を支えてきたと考えられています。
ゾロアスター教からイスラム期に至る宗教的・政治的変遷を一つの遺跡で連続的にたどることができる点が評価されています。城壁の一部やイル・ハン国期の八角形建造物の基礎も残されており、モンゴル支配下でのイスラム建築とペルシア建築の融合を示す資料としても注目されています。周辺の丘陵地には火山活動由来の地形も広がっています。
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