アーグラ城は、インド北部ウッタル・プラデーシュ州の都市アーグラにあるムガル帝国の城塞で、世界遺産に登録されています。16世紀、皇帝アクバルによって赤色砂岩を用いた城壁と主要建造物の建設が始まり、以後歴代皇帝のもとで白大理石を用いた優美な宮殿群が増築されました。
ヤムナー川沿いに築かれた城塞は、軍事要塞としての防御機能と、皇帝の居住空間としての壮麗な宮殿建築を兼ね備えています。ジャハーンギール宮殿やシーシュ・マハル(鏡の間)など、装飾技法の異なる複数の建造物が時代ごとに増築されており、ムガル建築の様式変遷を一つの城塞内でたどることができます。
晩年に幽閉された皇帝シャー・ジャハーンがタージ・マハルを望んだとされる八角形の塔ムサンマン・ブルジュも城内に残されています。軍事拠点と宮廷生活の場という二つの機能を兼ね備えた建造物として、ムガル帝国の統治構造を伝える重要な遺構です。城壁は二重に築かれ、外壁と内壁の間には濠が巡らされるなど、当時の高度な防衛設計が随所に見られます。
真珠のような輝きを持つことから名づけられたモーティー・マスジド(真珠のモスク)も城内に残され、皇帝専用の礼拝堂として用いられました。
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