レッド・フォート建造物群は、インドの首都デリーにあるムガル帝国の城塞で、世界遺産に登録されています。1638年、皇帝シャー・ジャハーンが新都シャージャハーナーバードの中心として建設を命じ、赤色砂岩を用いた高さ約33メートルの城壁が全長約2.4キロメートルにわたって都市を囲んでいます。
城内には謁見の間ディーワーネ・アームやディーワーネ・ハースをはじめ、白大理石に精緻な象嵌細工や透かし彫りを施した宮殿群が配置され、ムガル建築の完成期を代表する様式を示しています。庭園にはペルシア式の水路を配した設計が取り入れられ、噴水や水路のせせらぎによって夏の暑さを和らげる工夫が凝らされています。
独立記念日に首相が演説を行う場としても知られ、現在もインドの国家的な行事の舞台として利用されています。軍事施設と宮廷建築が融合した城塞として、ムガル帝国末期の建築技術と統治理念を伝えています。城内には皇帝専用の私的謁見殿ディーワーネ・ハースがあり、かつては黄金の孔雀を象った豪奢な玉座が置かれていたと伝えられています。
城壁の外周には濠が巡らされ、ヤムナー川を天然の防御線として活用する設計も特徴です。
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