グレーター・ブルー・マウンテンズ地域は、オーストラリア南東部ニューサウスウェールズ州にある砂岩台地と渓谷からなる世界遺産です。ユーカリの木々が発する油分が大気中で青みがかった靄となって見えることから「ブルー・マウンテンズ」と呼ばれ、広大な高原に深く刻まれた渓谷と切り立った崖が織りなす壮大な景観で知られています。
この地域には約90種を超えるユーカリが分布しており、世界のユーカリ属の多様性を代表する地域として植物学的に高く評価されています。中でも1994年に発見されたウォレミマツは、絶滅したと考えられていた古代の針葉樹が現存していた事例として世界的に注目を集めました。
険しい地形により長らく開発の手が及ばなかったことが、こうした古代植物や固有種の生存を可能にしたとされ、大陸の植物進化を伝える生きた記録として評価されています。深い峡谷や切り立った崖に加え、鍾乳洞や地下河川も点在し、地形の多様性そのものが独自の景観価値を形成しています。
19世紀には登山鉄道や展望台が整備され、シドニー近郊の代表的な観光地としても親しまれており、都市近郊にありながら手つかずの原生自然を体感できる稀少な地域として国際的にも評価されています。
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