クイーンズランドの湿潤熱帯地域は、オーストラリア北東部クイーンズランド州の沿岸に広がる熱帯雨林地帯で、世界遺産に登録された自然遺産です。約1億3000万年前から存在するとされる現存最古級の熱帯雨林を含み、被子植物の進化史をたどる上で世界的に重要な地域とされています。
原始的な特徴を残す顕花植物の系統が数多く確認されており、植物進化の初期段階を示す生きた資料として学術的に高く評価されています。切り立った山地から沿岸の湿地帯まで標高差の大きい地形には多様な生態系が連続的に分布し、キノボリカンガルーなど珍しい固有種も生息しています。
グレート・バリア・リーフに隣接する立地から、熱帯雨林とサンゴ礁という二つの卓越した生態系が同時に存在する稀少な地域としても知られ、陸と海の生態系のつながりを研究する上でも重要視されています。地域には先住民アボリジニが数万年にわたり暮らしてきた痕跡も残されており、雨林の資源を利用した独自の生活文化が育まれてきました。
急峻な地形と豊富な降水量が生み出す滝や渓流も景観上の見どころとされ、多くの固有種を育む生態系の宝庫として国際的な研究対象となっています。
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