ナハニ国立公園は、カナダ北西部準州にある広大な山岳・渓谷地帯で、世界遺産に登録された自然遺産です。ナハニ川が刻む深い渓谷には、落差90メートルを超えるバージニア滝をはじめとする雄大な滝や急流が連続し、氷河期の影響を色濃く残す劇的な地形が広がっています。
石灰岩地帯特有のカルスト地形も発達しており、洞窟や温泉、奇岩など多様な地形要素が一つの地域に凝縮されている点が高く評価されています。人跡未踏に近い状態が保たれてきたこの地域には、オオカミやグリズリー、ドールシープなど大型野生動物が豊富に生息し、手つかずの生態系が維持されています。
1978年に世界遺産条約に基づく最初期の登録地の一つとなったことでも知られ、自然遺産としての国際的な保護の枠組みが確立される初期段階を象徴する事例とされています。地下には広範な洞窟系も発達しており、地表の峡谷景観と地下の鍾乳洞が織りなす立体的な地形の多様性も評価されています。極めて到達が困難な立地も保護に寄与してきました。
特定の期間には多数のドールシープが渡りを行う様子も観察され、野生動物の季節的な移動経路としても重要な役割を果たしています。
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