イラク南部のアフワル:生物多様性の保護地域とメソポタミアの都市の残存景観
WORLD HERITAGE

イラク南部のアフワル:生物多様性の保護地域とメソポタミアの都市の残存景観

イラク 複合遺産
英名 The Ahwar of Southern Iraq: Refuge of Biodiversity and the Relict Landscape of the Mesopotamian Cities
登録年 2016年
地域 西アジア
登録基準 (iii)(v)(ix)(x)
(iii)現存する、または消滅した文化的伝統・文明の存在を伝える、稀有な証拠である。
(v)伝統的な居住形態や土地利用形態を代表する、人類と環境とのふれあいを示す顕著な例。
(ix)陸上・淡水域・沿岸・海洋の生態系や動植物群集の進化における、重要な生態学的過程を代表する見本。
(x)学術上または保全上顕著な価値を有する、絶滅のおそれのある種の生息地を含む、生物多様性保全上最も重要な自然の生育地。

イラク南部のアフワル:生物多様性の保護地域とメソポタミアの都市の残存景観は、チグリス・ユーフラテス両河川の下流域に広がる湿地帯と、古代都市遺跡からなる複合遺産です。登録範囲には、渡り鳥の重要な生息地となっている広大な湿地帯3カ所と、古代都市ウル、ウルク、エリドゥの考古遺跡3カ所が含まれます。

湿地帯は葦を用いた高床式の伝統的住居や漁労、水牛の放牧など、独自の水上生活文化を育んできた場であり、メソポタミア文明発祥の地とされる南部低地の生態系を今に伝えています。ウルクは人類最古の都市文明の一つとされ、文字の発明もこの地で始まったと考えられています。ウルにはジッグラトが良好な状態で残され、旧約聖書に登場する族長アブラハムの出身地とも伝えられています。

湿地に暮らす住民は葦舟を用いた漁労や水牛の飼育を営み、葦を編んで造る伝統的な集会小屋ムディーフなど、メソポタミア南部の湿地帯に古くから根づく独自の生活文化を今に伝えており、聖書に登場する「エデンの園」の伝承地の一つともされています。

20世紀後半に政治的理由で大規模に干拓された湿地は、後年の再冠水事業により部分的に回復し、渡り鳥の飛来数も徐々に増えつつあります。

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