ファールス地方にあるササン朝の考古学的景観は、イラン南部ファールス州に点在するササン朝ペルシア帝国期の遺跡群からなる世界遺産です。3世紀から7世紀にかけて存続したササン朝は、この地域を王朝発祥の地とし、都市遺跡、宮殿、岩壁浮彫、神殿、灌漑施設などが広範囲に残されています。
フィールーザーバードには円形に設計された初期の都市遺構が、ビーシャープールにはローマ捕虜を用いて建設されたとされる都市と橋の遺構が確認されています。各地の岩壁には、王の戴冠や戦勝の場面を描いた浮彫が刻まれ、ササン朝の王権思想と芸術様式を伝える資料として重視されています。
これらの遺構は、パルティア文化からイスラム期に至る文化的移行の過程を示すとともに、後のイスラム建築や美術にも影響を及ぼした点で評価されています。特に王権の由来を天上の神から授かる図像として表現する手法は、この地域の王権思想を象徴する表現として繰り返し用いられました。
フィールーザーバードの円形都市は、後のイスラム期に建設されたバグダードの円形都市計画に影響を与えたとする見方もあり、都市計画史の観点からも注目されています。
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