シューシュタルの歴史的水利システムは、イラン南西部フーゼスターン州の都市シューシュタルにある古代の灌漑施設群からなる世界遺産です。カールーン川の水を利用するため、紀元前5世紀のアケメネス朝期に建設が始まり、3世紀のササン朝期にはローマの捕虜技術者も動員されて大規模な拡張が行われたと伝えられています。
岩盤を掘削して造られた水路網、堰、水車、橋兼用の堰堤などが一体的に機能し、農地への灌漑だけでなく水車を用いた製粉などの動力源としても活用されました。人工的に造られた滝や貯水池は美しい景観を形成し、都市の生活と一体化した水利施設として機能してきました。
周辺には水車を利用した製粉施設の跡も多数残り、水利用と一体化した産業活動が長期間営まれていたことを示しています。2000年以上にわたり継続的に使用されてきた水利技術の複合体として、土木技術史上の重要性が認められています。
人工の滝と貯水池からなる「シャーデルヴァーン」と呼ばれる堰堤群は都市の景観の一部としても親しまれ、周辺には歴史的な橋や水車小屋も点在しています。現在も一部の水路は農業用水として利用され続けています。
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