ペルシア庭園は、イラン各地に残る9つの歴史的庭園からなる世界遺産です。水路を十字状に配置し庭園を四分割する「チャハールバーグ」と呼ばれる形式を基本とし、乾燥地帯において水と緑を効果的に活用する独自の造園思想が数千年にわたり発展してきました。
紀元前6世紀のパサルガダエの庭園に起源を持つとされ、その後イスラム期を通じて各王朝のもとで洗練され、宮殿や離宮に付随する庭園として各地に広まりました。噴水や水路のせせらぎ、糸杉や果樹による木陰は、砂漠気候の中で楽園を再現する象徴的な空間として設計されており、この理念は後にムガル帝国の庭園建築などイスラム世界各地の造園に大きな影響を及ぼしました。
登録された9つの庭園は各時代・各地域の様式を代表しており、造園思想の変遷を比較しながらたどることができます。水利技術と美的思想が結びついたイラン独自の文化的景観として評価されています。登録された庭園にはカシャーンのフィン庭園やシーラーズのエラム庭園などが含まれ、それぞれ地域の地形や気候に応じた独自の設計上の工夫が凝らされています。
庭園内の東屋や離宮は、統治者の接見や祝宴の場としても用いられました。
📷 気になる書籍の画像を押すと、Amazonで商品の詳細を確認できます。
Amazonのアソシエイトとして、当サイトは適格販売により収入を得ています。