デリーのフマユーン廟は、インドの首都デリーにあるムガル帝国第2代皇帝フマユーンの霊廟で、世界遺産に登録されています。1565年頃、皇帝の死後に妃ハージー・ベグムの命により建設が始まり、ペルシア人建築家によって設計されました。
赤色砂岩と白大理石を組み合わせた外観や、高いドームを中央に配した左右対称の構成は、後のタージ・マハルをはじめとするムガル建築の先駆けとなったとされています。庭園を四分割するチャハールバーグ形式の造園がインドで初めて本格的に採用された建造物としても知られ、水路と植栽によって楽園を象徴する空間が構成されています。
敷地内にはフマユーン以外の皇族や貴族の墓も多数配置され、ムガル皇族の墓所群として機能しました。19世紀のインド大反乱の際には最後のムガル皇帝がこの廟に身を潜めた歴史も伝えられています。庭園式霊廟という新たな建築類型を確立した記念碑的建造物として評価されています。
霊廟は高さ約7メートルの基壇の上に築かれ、内部には八角形の主室を中心に複数の小部屋が配置される複雑な構造を持っています。庭園を分割する水路は現在も一部が機能しており、建設当初の景観を体感できる点も貴重とされています。
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