インドのマラーター王国の軍事景観は、インド西部を中心に点在する12の城塞や要塞からなる世界遺産です。17世紀から19世紀にかけてマラーター王国の建国者シヴァージーをはじめとする歴代の統治者によって築かれ、デカン高原の険しい丘陵地形やコンカン海岸の岬などを巧みに利用した防衛拠点として発展しました。
ライガドやシンドゥドゥルグなど各城塞は、山岳部の丘陵城塞、海岸沿いの沿岸要塞、洋上に浮かぶ海上要塞という多様な立地類型を含み、地形に応じて異なる築城技術が用いられています。城壁の構築には現地で産出する玄武岩が多用され、急峻な斜面と一体化した防御構造が随所に見られます。
ゲリラ戦術を得意としたマラーター勢力の軍事思想を反映し、機動性と防御力を両立させた要塞群として評価されています。異なる地形条件に応じた築城技術の多様性を、一つの王国の軍事戦略の中で比較検証できる点が国際的に高く評価されています。各城塞には見張り台や貯水施設、糧食庫も整備され、長期の籠城戦にも耐えうる自給的な構造を備えていました。
海上要塞は艦隊の停泊地としても機能し、陸海双方の防衛網を形成していたとされています。
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