サールナートの古代仏教遺跡は、インド北部ウッタル・プラデーシュ州の都市ヴァーラーナシー近郊にある仏教聖地です。仏教の開祖ゴータマ・シッダールタが悟りを開いた後、最初の説法を行ったとされる地であり、仏教において四大聖地の一つに数えられています。
紀元前3世紀、アショーカ王がこの地に石柱と僧院を建立したことに起源を持つとされ、以後歴代の王朝のもとで大規模な仏塔や僧院が増築されました。中でもダメーク・ストゥーパと呼ばれる高さ約34メートルの仏塔は、最初の説法が行われた場所を記念して建立されたと伝えられ、遺跡の中心的な建造物となっています。
出土したアショーカ王柱の柱頭飾りに刻まれた四頭の獅子像は、後にインドの国章として採用されるなど、インド文化史上でも象徴的な意義を持つ遺物とされています。この石柱は当初高さ約15メートルに及んだとされています。仏教発祥の重要な聖地として、現在も世界各地から多くの巡礼者が訪れています。
遺跡内には僧院跡や複数の小規模な仏塔跡も残り、かつて多くの僧侶が学び修行した仏教教学の中心地であったことを伝えています。19世紀以降の発掘調査によって遺跡の全容が徐々に明らかにされてきました。
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