ナンダ・デヴィ国立公園と花の谷国立公園は、インド北部ウッタラーカンド州のヒマラヤ山脈にある2つの国立公園からなる自然遺産です。ナンダ・デヴィ国立公園は標高7800メートル近いナンダ・デヴィ峰を中心とする険しい高山地帯で、氷河や急峻な渓谷が織りなす原始的な生態系が保たれ、ユキヒョウやジャコウジカなど希少な高山動物の生息地となっています。
隣接する花の谷国立公園は、夏の短い期間に数百種に及ぶ高山植物が一斉に開花することで知られ、その色彩豊かな景観は古くから登山家や植物学者を魅了してきました。両公園はいずれも人間の活動による改変をほとんど受けておらず、西ヒマラヤ地域における高山生態系の自然な姿を伝える貴重な地域とされています。
険しい地形のため長らく外部との接触が少なかったことが、豊かな生物多様性の保全に寄与してきたと考えられています。花の谷は1930年代に登山隊によって偶然発見され、以後多くの植物学者が調査に訪れるようになりました。
周辺地域では伝統的にこの一帯を女神が宿る聖地とみなす信仰も伝えられており、両公園はともに人間の定住や放牧をほとんど受けなかった希少な地域とされています。
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