ケオラデオ国立公園は、インド北西部ラジャスタン州にある湿地帯からなる自然遺産です。もとは18世紀に藩王による人工的な水利調整によって形成された湿地で、狩猟地として利用されていた歴史を持ちますが、20世紀以降は野鳥の重要な生息地として保護されるようになりました。
季節ごとに水位が調整される湿地には、シベリアやヨーロッパから飛来する渡り鳥をはじめ、多数の水鳥が生息・越冬する場となっており、絶滅の危機に瀕するシベリアヅルの飛来地としても国際的に知られています。乾季と雨季で大きく異なる水位変化が、多様な水生植物と鳥類の生息環境を生み出す独自の生態系を形成しています。
限られた面積の中に極めて高密度の野鳥が集まることから、世界有数の鳥類観察地としても評価されており、200種を超える鳥類が記録されています。人工的に管理された湿地が野生生物の重要な保護区へと転じた稀少な事例とされています。周辺の河川から水を引き入れる水路網は今なお計画的に管理されており、鳥類の繁殖期に合わせて水位が調整されています。
公園内では水鳥のほか、シカ類やニシキヘビなど多様な湿地生物も観察されています。
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