マナス野生動物保護区は、インド北東部アッサム州のヒマラヤ山麓にある自然遺産です。ブータンとの国境地帯に広がるマナス川流域には、氾濫原の草原、湿地、亜熱帯の森林が織りなす多様な生態系が形成されており、インドサイやアジアゾウ、トラなど大型哺乳類の重要な生息地となっています。
とりわけ希少なピグミーホグやアッサムオオカミモドキなど、この地域固有の希少種の生息地としても国際的に重視されています。1980年代から1990年代にかけて地域紛争の影響で密猟が横行し野生生物の個体数が大きく減少した時期がありましたが、その後の保護活動によって徐々に回復が図られています。
地元住民が保護活動に主体的に参加する共同管理の取り組みが進められており、紛争からの再生と保全の両立を目指す事例としても注目されています。氾濫原特有の動的な生態系と希少種の宝庫として、南アジアの自然保護における重要性が高く評価されています。保護区は隣接するブータン側の保護区とも生態系が連続しており、国境を越えた野生動物の移動経路としても機能しています。
個体数回復の実績が評価され、一時は危機遺産リストに掲載されていましたが後に解除されました。
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